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マリの混乱に思う

マリの北部を制圧した反政府軍は独立宣言を発し、住民は略奪から逃れる為10万人規模で難民化した。
一方南部の首都バマコでは国際社会の介入によって、政府官邸を押えていた若手軍人の支配が終了し、民主政治の復権に向けて動き出している。





今年の始め辺りからマリ北部でトゥアレグ族の独立運動が活発化していた。
リビアのカダフィ軍にいたマリ人達が、大量の武器を持ち帰ったことにより、現地の軍事バランスが大きく崩れたことが原因だと見られている。
治安は悪化し、略奪の危機にさらされた多くの北部住民が周辺国への移動をしはじめた。

大統領選挙を間近に控えた3月22日、政府の北部への弱腰を非難して、若手軍人を中心とした一団がクーデターを起こした
4月の大統領選を待てなかった背景の一つとして、閣僚を含む現大統領支持者の政権延命活動と、常態化している汚職から、選挙そのものに対する不信があったとのことだ。

事実、アフリカの多くの国で選挙を経て平和的に政権を委譲する為には、多数の利害関係者を納得させる必要がある。失敗すれば大変な混乱に陥り、多くの死者が出る。これは現政権担当者にとっても、新政権樹立者にとっても、僕達日本人には想像がつかないくらい大変なことなのだ。

国際社会はマリで起きたクーデターを一斉に非難し、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、経済及び外交上の制裁を発表した。

この間、政権の混乱の隙を突いて北部の情勢は劇的に変化する。
北部要衝都市を次々と陥落させた武装集団はトゥアレグ族の独立運動を掲げているが、トゥアレグ族の独立を目指すグループ『解放国民運動(MNLA)』以外にも、マリをより厳格なイスラム国家にしたいイスラム過激派グループや、『マグレブアルカイダ(Aqmi)』等複数の組織が係わっていたとされる。

いずれにせよ、約2週間の間にマリの北部60%程度の地域が反政府軍に制圧され、国家独立宣言を発表するにいたった。これにより、北部を中心として10万人を越える民衆が難民化した。
そして現在、国際社会による北部地域への軍事介入について、交渉と調整が行われている。




僕はマリが好きだ。

西アフリカの多くの面積を占めるマンデ文化圏では、その長い歴史に渡り、生業を異にする多くの民族が共存してきた。彼らの社会システムは独自性に富んでいる。
マリに滞在し音楽を学んでいた頃、地域に根付いている異なる民族間で交わされる挨拶や、エスニックジョーク、頼母子講的な社会保障など知るたびに、その文化に感激したものだった。
僕達はスンジャタを称えるグリオの歌等から、少なくとも12世紀まで遡ってその歴史を知ることができる。

今回の混乱は、その歴史にどのような結果をもたらすのだろう。
北部情勢が落ち着いたとしても、この混乱で流れた血と植え付けられた恐怖は、どこに向かうのだろう。

近代、アフリカでは植民地化とその独立の流れにおいて夥しい血が流れた。
民族間に消すことのできない恨み、恐怖、差別意識を残した事例はたくさんある。

西洋的な民主主義が、本当に彼らにフィットした制度なのか考えさせられる。
欧米だって日本だって、政治と金銭は切り離せないが、アフリカの氏族社会と汚職を切り離すことはできない。そしてその汚職を罪だと考える発想自体が氏族社会と相容れない。
先進国サイドでは、民主的な選挙の実現を喜ばしいニュースとして報道するが、それは本来の意味で"民主的"な選挙だったのだろうか?




真実はいつだって多面的で、僕達はその一面しか見ることができない。
世界を見れば、ここ数年間だけでも、正義の旗の下で多くの人々が命を失っている。
そして、その心の傷は癒えず、憎しみの連鎖が続いている。

"正しいこと"が我が物顔に振舞っているのは、日本だって変わらない。
本当に正しいことなんて、誰にも分からないのに、僕達は、無自覚に誰かの人生を、人格を、簡単に否定してしまう。
きっと日本だって他の国だって、みんなが信じているほど正しい国じゃないし、みんなが疑うほど間違った国でもない。
ただそれぞれが、必死に生きている姿を、どの位置から見るかだけの問題なんだと僕は思う。

僕達は不完全な情報を根拠にして、目の前の出来事に向き合い、いずれかの道を選んでいくしかない。
だからこそ、立場の違う人の声に耳を傾けることや、自身の過去の過ちを受け入れることでしか前に進めないんだ。



アフリカと出会って10年が過ぎたが、政治や経済の問題は、出会った頃と変わらず、堂々巡りをしているように見える。
情勢を見つめ続けても、解決の為自分にできることはほとんどない。
それでも、豊かな音楽、高度な民族社会、やさしい友人達、僕はそうしたマリの魅力と出会ってしまった。
すぐに答えは見えてこなくても、僕はこれからもマリと関わり続けたい。共感も、理解も、解決の糸口も、知ること、関わることから生まれてくると思うから。
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プロフィール

紅葉

Author:紅葉
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大学時代に西アフリカを訪れ
その豊かさに大きな衝撃を受けました

おもしろいこと中毒で
好奇心に引ずられるように生きています

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